沈まぬ太陽は天高く。
どうも忙しない。「沈まぬ太陽」見てきたことを忘れるくらいに。でも映画は良かったで。渡辺謙は労働組合にリーダーとして参加していた経緯から、組織に翻弄され、家族にも罵倒されることとなる。これが前半。ひたすら絶望的な展開です。アフリカで、悪夢にもうなされるわ。一方で、労働組合の副リーダー・三浦友和が、既得権益にまみれた組織上層部にに丸めこまれ、組織の傀儡となる様は、味方にすら恐れられる。しかもそういう連中をうまく転がしながら、どんどん組織を手中に収めていくという悪辣さを終盤まで見せる。結局は労働組合の仲間だった部下に足元をすくわれるのだが、それは本編をご覧ください。
前半はどうも労働組合の頃と、左遷先での様々な困難を交互に描いており、さらに事故のことまで絡んでくるから、時々見ていて混乱しかけた。役者陣も良い布陣(特に組織内部)で、実にイヤらしい上層部のエリートどもを描いている。後半は組織を再生していくために奔走するのだが、労働組合からなる組織人事がさらに事態を混乱させていくのが、現代社会の病巣という感じを浮き彫りにしてくれる。エリート意識と既得権益が、組織よりも人をダメにしていくのだろう。「過去の栄光はその日に忘れなさい」という言葉をどこかの本で読んだが、まさにその通りだ。労働組合も、渡辺謙扮するリーダーが左遷された頃から、徐々に迷走してきていたし(要因は他にもあったが)。それにしても学生運動が盛んだった時期だ。この頃は中近東やアフリカとかは人種差別の対象だっただけに、左遷扱いとはな。イヤな感じであるが、それはあくまで時代情勢の話。日本人の民族像は、理解は深まってもやはり昔から成長していないな(昔はより幼稚なだけ)。
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